一定期間取引停止後、弁済がない場合等の貸倒れ

かわら版 2022年11月4日(金)

~石井会計かわら版 令和4年11月号より抜粋~

 

一定期間取引停止後、弁済がない場合等の貸倒れ

 

⾧引くコロナ渦の影響に伴う、コロナ関連倒産件数は2020年839件、2021年1,746件、2022年は10月21日現在で1,735件と増加しています。業種別件数上位は飲食店(639件)、建設・工事業(548件)、食品卸(220件)となっています。(帝国データバンク)
来春よりゼロゼロ融資返済が開始することに伴い、今後、売掛金の回収が困難となるケースも出てくることが予想されます。そういった場合に貸倒損失として処理する場合の注意点についてご紹介いたします。


【基本通達】

 

債務者について次に掲げる事実が発生した場合には、その債務者に対して有する売掛債権について法人が当該売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒れとして損金経理をしたときは、これを認める。

 

(1)債務者との取引を停止した時(最後の弁済期又は最後の弁済の時が当該停止をした時以後である場合には、これらのうち最も遅い時)以後1年以上経過した場合(当該売掛債権について担保物のある場合を除く。)

(2)法人が同一地域の債務者について有する当該売掛債権の総額がその取立てのために要する旅費その他の費用に満たない場合において、当該債務者に対し支払を督促したにもかかわらず弁済がないとき

 

継続的な取引を行っていた債務者につきその資産状況、支払能力等が悪化したためその取引を停止するに至った場合に適用されます。不動産取引のようにスポットで取引を行った債務者に対して有する取引に係る売掛債権については、適用されません。

 

【要件】

 

・最終取引から1年以上動きがないこと

・継続的な取引であること

・全額を貸倒処理せず、備忘価額1円を残して損金処理をすること


【参考】法律上の貸倒れとは

 

法的整理手続きによる貸倒れとは、①会社更生法による更生計画、②会社法による特別清算に係る協定、③民事再生法による再生計画となっており、いずれも裁判所による認可の決定を受けることが要件となっています。
これらは裁判所の監督のもとに行われ、法律上、債権の切捨てという手続きを伴うものであるため、上述した[基本通達]にかかわらず貸倒れの損金性が問題となることは通常ありません。損金算入の時期については、裁判所による認可決定のあった日の属する事業年度に損金となります。
なお、法人の破産手続きについては、裁判所が破産法人に財産がないことを公証の上で廃止決定または終結決定を出し、法人の登記が閉鎖され、この決定がなされた時点で破産法人は消滅します。その時点が貸倒れの時期となると考えられます。

 

 

詳細はこちら(PDF)からご参照ください。 ※新しいウィンドウが開きます

 

 

令和4年11月

税理士法人石井会計