同族会社の少数株主対策~その2~

経営 2021年4月23日(金)

Q:弊社は同族会社ですが、先代からの少数株主が多数います。今般の社長交代を機に少数株主の整理を考えていますが、どの様に取り組めば良いですか?

 

A:株式集約の検討を!

前回は「相続と少数株主対策」について解説しましたが、今回は会社法活用による「株式の集約方法」について、いくつかの方法を解説します。

 

1.特別支配株主の株式等売渡請求(会社法179条):

(概要)議決権総数の90%以上を直接的・間接的に保有する「特別支配株主」は、他の株主全員に対し保有株式を売渡請求できます。

(手続の流れ)①特別支配株主が制度利用決定と会社への通知、②会社の承認と特別支配株主へ通知、③会社から少数株主への通知、④説明資料を会社へ事前備置等、⑤特別支配株主が対象株式等取得の流れです。

(留意点)少数株主には、会社に手続上の瑕疵・法令違反等があれば、会社法上の対抗措置が認められます。

 

2.株式併合(会社法234~235条):

(概要)例えば既存の2株を1株にするように、数個の株式を併せて、より少数の株式にすることです。株式併合により生じる1株未満の端株は、売却等により換価され当該株主に交付する仕組みですので、少数株主のスクイ-ズアウトに利用できます。

(手続及び留意点)手続きには、株主総会の特別決議、各株主への通知又は公告等、買取り価格決定並び買取りにあたり裁判所への株価算定書の提出と売却許可決定等が必要です。なお前項1と同じく少数株主の会社法上の対抗措置が認められます。

 

3.全部取得条項付種類株式(会社法108条1~2項):

(概要)既存の全ての普通株式を全部取得条項付種類株式に変更し、会社は当該全株式取得の後、別の種類株式を発行します。この際に発生した端株を、売却等により換価して当該株主に交付することで、少数株主のスクイ-ズアウトに利用できます。

(手続の流れ)①説明資料を会社へ事前備置等、②当該種類株式導入の株主総会特別決議(ⅰ2以上の種類株式を発行する旨の定めを設ける定款変更、ⅱ既存の普通株式全てを全部取得条項付種類株式に変更する定款変更)、③全部取得条項付種類株式取得に関する株主総会特別決議、④株主への通知・公告、⑤全部取得条項付種類株式の取得、⑥説明資料の事後備置等、⑦端株処理の流れとなります。

(留意点)少数株主の会社法上の対抗措置は前項と同様に認められます。

 

<こちらのPDFからもご確認いただけます> ※新しいウィンドウで開きます

 

令和3年4月

税理士法人石井会計